ボク──もう、祈っているだけじゃダメなんだ……。
十歳で死んだ少年をマスターに持つジョーイは、埋葬惑星ドールランドに住む慰霊用猫型アンドロイド。遺品である童話の本に「外に出たい」という走り書きを見つけ、少年の亡骸を墓地から解放したいと願うようになる。そして新年祭の前日、星に不法侵入した一人の傭兵と接触を持ち協力を取りつけた。一方この星の専属女神官であるフランは、ジョーイのAIの異変に気づき行動を気にかけていたのだが……。
期待の新人が贈るSFファンタジー!
ということで購入。何がって…アンドロイドとかいうのに惹かれたので。単純明快。あと、どういうものか気になったので1ヶ月遅れで購入。
感想としては…
「かなり微妙」
テンポが悪いというか、読んでいてだんだん飽きてくる印象があった。自分が言える事ではないだろうが、これ以上読み進めてもどうだろう…と考えてしまうこともたびたび。
川上さんも初期の頃そういう印象があったが(パンツァーポリス1935の時)以後期待かもしれない。
後書きに書いてある通り話の内容は地味。戦闘シーンなどもあるが何か迫力が欠けている。せっぱ詰まった感じがあるが…それだけ。
もうちょっと書き加えて欲しかった。
まぁ読んでみたい人は読んでみてもいいかもしれない。自分は…ちょっと抵抗があった。
終わりのクロニクル (3上)
2004年4月28日 読書
発売からずいぶんと時間が経ってしまったが…今頃こういうのを書くのもどうかと思う。ついでに買ったのは発売日の前日。
今回は3rd-G。モデルはギリシャ神話。そして…金属が命を持つギア。武神や自動人形を持っていた。
今回は最初から新登場の人物がぞくぞく登場。思わず
「また人数増えるのか!」
と叫びたくなるほど。もう数えられないよ、この人数じゃ。あと5つギアがあるから…えっと、何十人単位になることは確実か。うわぁ、そこまで増えたらたぶん自分の頭の中では人物関係図が構成できないだろう。
とまぁ自分のことはここまでにして。
感想としてはやはり独特の表現があり。文章に抵抗がある人にはどうしても勧めにくいのが事実。また、1から一気に読み進めないと人物との関係がわかりにくいので3だけ単独で…と言えない。
また、部分部分に都市シリーズのネタもあるので余計に複雑。知らなくても楽しめるが知っているとちょっとは楽しめるか。
今回だったら伯林の重騎、倫敦の自動人形のことを知っているとたぶん
「あ〜そういうことか」
と思うはず。都市シリーズから知っている人だったらたぶん分かるかと…カールとクラウゼルとか。ヨーロッパ編だけでも集めておけばいいと思う。
…クロニクルと比べて伯林の難易度は意外と高いかもしれないが。遺伝詞概念がネック、か。
戦闘シーンの描画はさすがの一言。
読んでいて次にどういう行動を取るか、どうやってこの状態を切り抜けるかが知りたくてつい読み進めてしまう。
また、クロニクルシリーズの真骨頂である交渉シーンも矛盾も破綻も無く、それでもできる限りわかりやすくなっていた。1から読んでいるのでもう半分程度予想が付いているのかもしれないが。
何度か読むとだんだんと内容の奥の奥が読めてきてまた楽しめる。それがこの作品のおもしろいところ。
3rd-Gに存在する2つの穢(けが)れ。ギアが起こした穢れと個人が犯した穢れ。その二つの穢れが払えない限りLow-Gに下ることはできない。
だとしたらその2つの穢れを払うには一体どうしたらいいか。そして穢れの意味は一体何なのか。
2体の武神がお互いに戦い続ける理由と表紙の女性は一体何のために存在するのか。
なぜ2nd-Gが3rd-Gと関係を持っているのか。
様々な疑問を最初に散らばらせ、後半から一気にそれぞれを結びつけていき、結果として1つの方向に持って行くのがパターン。けれども上だけではまだどうつながるのかが分からない。
それを想像しつつ何度も読みふけるのも楽しみの一つだろう。
650円と少々高いかもしれないが1日読書に費やすなら安いものだろう。
今回は3rd-G。モデルはギリシャ神話。そして…金属が命を持つギア。武神や自動人形を持っていた。
今回は最初から新登場の人物がぞくぞく登場。思わず
「また人数増えるのか!」
と叫びたくなるほど。もう数えられないよ、この人数じゃ。あと5つギアがあるから…えっと、何十人単位になることは確実か。うわぁ、そこまで増えたらたぶん自分の頭の中では人物関係図が構成できないだろう。
とまぁ自分のことはここまでにして。
感想としてはやはり独特の表現があり。文章に抵抗がある人にはどうしても勧めにくいのが事実。また、1から一気に読み進めないと人物との関係がわかりにくいので3だけ単独で…と言えない。
また、部分部分に都市シリーズのネタもあるので余計に複雑。知らなくても楽しめるが知っているとちょっとは楽しめるか。
今回だったら伯林の重騎、倫敦の自動人形のことを知っているとたぶん
「あ〜そういうことか」
と思うはず。都市シリーズから知っている人だったらたぶん分かるかと…カールとクラウゼルとか。ヨーロッパ編だけでも集めておけばいいと思う。
…クロニクルと比べて伯林の難易度は意外と高いかもしれないが。遺伝詞概念がネック、か。
戦闘シーンの描画はさすがの一言。
読んでいて次にどういう行動を取るか、どうやってこの状態を切り抜けるかが知りたくてつい読み進めてしまう。
また、クロニクルシリーズの真骨頂である交渉シーンも矛盾も破綻も無く、それでもできる限りわかりやすくなっていた。1から読んでいるのでもう半分程度予想が付いているのかもしれないが。
何度か読むとだんだんと内容の奥の奥が読めてきてまた楽しめる。それがこの作品のおもしろいところ。
3rd-Gに存在する2つの穢(けが)れ。ギアが起こした穢れと個人が犯した穢れ。その二つの穢れが払えない限りLow-Gに下ることはできない。
だとしたらその2つの穢れを払うには一体どうしたらいいか。そして穢れの意味は一体何なのか。
2体の武神がお互いに戦い続ける理由と表紙の女性は一体何のために存在するのか。
なぜ2nd-Gが3rd-Gと関係を持っているのか。
様々な疑問を最初に散らばらせ、後半から一気にそれぞれを結びつけていき、結果として1つの方向に持って行くのがパターン。けれども上だけではまだどうつながるのかが分からない。
それを想像しつつ何度も読みふけるのも楽しみの一つだろう。
650円と少々高いかもしれないが1日読書に費やすなら安いものだろう。
▼機甲都市伯林―パンツァーポリス1937 都市シリーズ
2004年4月5日 読書
さて、自分が好きな川上さんの作品。
37年が実質1巻なのだが35年があるという何とも奇妙な作品。ただ、やはり35年から読んだ方がいいかもしれない。
37に出てくる『疾風-シルフィード-』は35に出てくる『皇城-カイザーブルグ-』の関係を考えるとどうも35の方を読まないとどうしても分からない事が多い。どうして疾風が空を目指すのか。
文字に抵抗がある人ははっきりというと抵抗がかなりあると思う。まず流体-エーテル-の概念が少々わかりにくい。あと遺伝詞の概念。
時間がある2回ほど読むと展開が分かるので
「あ、こういうことの布石の為にこの言葉があるんだ」
と理解できるはず。
ちなみに作品中でたまに出てくる
≪疾風とは天を破る風のこと≫
≪鉄は砕かれるが運命≫
など違う括弧で区切られている部分がある。これが結構重要。さっき言った遺伝詞などはこの言葉に反応する。それさえ分かってきたら結構楽しめる。
5巻まであるので一気に読むのがお勧め。
37年が実質1巻なのだが35年があるという何とも奇妙な作品。ただ、やはり35年から読んだ方がいいかもしれない。
37に出てくる『疾風-シルフィード-』は35に出てくる『皇城-カイザーブルグ-』の関係を考えるとどうも35の方を読まないとどうしても分からない事が多い。どうして疾風が空を目指すのか。
文字に抵抗がある人ははっきりというと抵抗がかなりあると思う。まず流体-エーテル-の概念が少々わかりにくい。あと遺伝詞の概念。
時間がある2回ほど読むと展開が分かるので
「あ、こういうことの布石の為にこの言葉があるんだ」
と理解できるはず。
ちなみに作品中でたまに出てくる
≪疾風とは天を破る風のこと≫
≪鉄は砕かれるが運命≫
など違う括弧で区切られている部分がある。これが結構重要。さっき言った遺伝詞などはこの言葉に反応する。それさえ分かってきたら結構楽しめる。
5巻まであるので一気に読むのがお勧め。
アリソン〈3 上〉ルトニを車窓から
2004年3月18日 読書ISBN:4840226296 文庫 時雨沢 恵一 メディアワークス ¥510
アリソンはキノの旅を高校の時友人から勧められて読み始めた影響。イラストも好きだがまず勧めたいのが文章の美しさ。読んでいてその情景が思い浮かぶのがすごいと思う。
さて、今回は飛行機が出てこない。鉄道が主で飛行機は出てこない。自分としてはアリソンとベネディクトの飛行機に乗る場面がないのが少々不満。
最初の所で少々後のことが書かれているのでそれを覚えておくと結構おもしろいかもしれない。出来事が分かっているので話がどう転ぶかどきどきしながら読み進める事ができる。
それが終わった後はアリソン、ヴィル、ベネディクト、フィオナの4人が中心で始まる。そりゃ当然と言ったら当然だが。
大陸横断鉄道で楽しむ風景、途中で気づく不穏な陰、殺人者が乗っているという事実、怪しい人物が次々と登場。読んでいてどんどん進んでいってしまう。そしてヴィルとアリソンの決意…二人の関係が微妙に変化しているのが分かる。アリソンの発言からそういう事が分かるな。ってこれ以上だとネタバレだから止め止め。
言いたい事はいろいろとあるがそこは読んだ方が楽しめるというものだ。
自分のお勧めの読み方としては
1.まずは何より1巻、2巻を絶対に読む
2.後書きを読む
3.本編を読む
4.読みつつ人物の関係図を書いていく
4はなぜ必要かというと…登場人物が多い多い。覚えきれる量ではない。今度関係図をまとめておこうか、1巻から3巻上まで。それぐらい多い。
今月の電撃文庫のお勧め作。
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▼半分の月がのぼる空 2 waiting for the harf-moon
2004年2月8日 読書
ISBN:4840226067 文庫 橋本 紡 メディアワークス ¥510
ということで今日買った『半分の月がのぼる空2』を当日に読み切る。馬鹿というのはこういうことを言うのだろうと。
まぁこの作品では「バカ」がキーワード。むしろ飽きるほどでてくるのが特徴。裕一が里香に言う定番の台詞。
舞台はなんの変哲もない病院。西病棟と東病棟に別れている単なる病院。肝炎で病院で冬休みを過ごすことになった裕一の病院での話。
そして亜希子さんのお願いから心臓の病気で入院している里香と知り合う。それだけの話。SHでも何でもない。実際にありそうな、そういう錯覚をするほど現実に近すぎる作品。
前回は読み切りという感じで完結していたのであまり期待はしていなかったのだがなんというか…買ってしまった。けど期待以上におもしろかった。これは何度でも読めるな、と。
前作は病院での生活と里香との出会いが中心だったがその続き。おそらく前作を読んでいないと後半の寝たがわからない可能性あり。むしろ読んでいて
「あ〜ここのネタか」
と思うことが多かった。あと重要になる旧多田コレクションなどは読んでいないとおもしろくはない。同じく510円なので2巻買っても1000円程度。ちょっと高い本1冊と思えば損ではないと思う。
話の内容はネタばれになるのでできるだけ書かないようにしたいと思うが鍵となる人物は
■裕一
■里香
■夏目先生
■亜希子さん
の4人。この4人の動きが鍵だと思う。むしろこの他にメインになる人物ははっきり言っていない。以前のレビューでも書いたが登場人物が少ないので比重が大きい。
そして鍵となるのは裕一の里香の会話だがそれと同様に夏目先生の動き。そして裕一の過去。過去と現実が微妙に話をつないでいる。ただの昔話ではなく、それが人物の性格を引き出しているし、現在に影響していることがわかる。こういう書き方は惹かれるところがある。
そしてもう一つの鍵が「銀河鉄道の夜」前作では夏目漱石の「蜜柑」がメインの書物になっていたが今回は銀河鉄道の夜。読んでいると楽しめるかもしれない。自分は読んでいないので…今度読もうと思うが時間がないし。図書館で借りてくるのがいいだろう。春休みの課題だな。覚えているかが問題だが…
本を読み慣れていない人は結構つらいところがあるかもしれない。心情表現が多いし、何よりもはっきりと言わずに微妙に隠しているところが多い。自分の想像でそこを補わないといけないのは楽しみの一つだが嫌な人には嫌かもしれない。
けど漫画では絵として頭に入る。けど本は文章を読んで想像してみることが主。挿絵などでキャラがどういう格好をしているかなどを見ることはあってもそれは基本を作ったりすることだと思う。キャラがどういう顔をしているのかがわからないとちょっとおもしろくないし…
けど状況説明などもあるので比較的わかりやすいかもしれない。都市シリーズなどと比べたら…
発売者のメディアワークスというのは電撃文庫のことなのでそこを探すといいだろう。黄色の背表紙(?)が目印
ということで今日買った『半分の月がのぼる空2』を当日に読み切る。馬鹿というのはこういうことを言うのだろうと。
まぁこの作品では「バカ」がキーワード。むしろ飽きるほどでてくるのが特徴。裕一が里香に言う定番の台詞。
舞台はなんの変哲もない病院。西病棟と東病棟に別れている単なる病院。肝炎で病院で冬休みを過ごすことになった裕一の病院での話。
そして亜希子さんのお願いから心臓の病気で入院している里香と知り合う。それだけの話。SHでも何でもない。実際にありそうな、そういう錯覚をするほど現実に近すぎる作品。
前回は読み切りという感じで完結していたのであまり期待はしていなかったのだがなんというか…買ってしまった。けど期待以上におもしろかった。これは何度でも読めるな、と。
前作は病院での生活と里香との出会いが中心だったがその続き。おそらく前作を読んでいないと後半の寝たがわからない可能性あり。むしろ読んでいて
「あ〜ここのネタか」
と思うことが多かった。あと重要になる旧多田コレクションなどは読んでいないとおもしろくはない。同じく510円なので2巻買っても1000円程度。ちょっと高い本1冊と思えば損ではないと思う。
話の内容はネタばれになるのでできるだけ書かないようにしたいと思うが鍵となる人物は
■裕一
■里香
■夏目先生
■亜希子さん
の4人。この4人の動きが鍵だと思う。むしろこの他にメインになる人物ははっきり言っていない。以前のレビューでも書いたが登場人物が少ないので比重が大きい。
そして鍵となるのは裕一の里香の会話だがそれと同様に夏目先生の動き。そして裕一の過去。過去と現実が微妙に話をつないでいる。ただの昔話ではなく、それが人物の性格を引き出しているし、現在に影響していることがわかる。こういう書き方は惹かれるところがある。
そしてもう一つの鍵が「銀河鉄道の夜」前作では夏目漱石の「蜜柑」がメインの書物になっていたが今回は銀河鉄道の夜。読んでいると楽しめるかもしれない。自分は読んでいないので…今度読もうと思うが時間がないし。図書館で借りてくるのがいいだろう。春休みの課題だな。覚えているかが問題だが…
本を読み慣れていない人は結構つらいところがあるかもしれない。心情表現が多いし、何よりもはっきりと言わずに微妙に隠しているところが多い。自分の想像でそこを補わないといけないのは楽しみの一つだが嫌な人には嫌かもしれない。
けど漫画では絵として頭に入る。けど本は文章を読んで想像してみることが主。挿絵などでキャラがどういう格好をしているかなどを見ることはあってもそれは基本を作ったりすることだと思う。キャラがどういう顔をしているのかがわからないとちょっとおもしろくないし…
けど状況説明などもあるので比較的わかりやすいかもしれない。都市シリーズなどと比べたら…
発売者のメディアワークスというのは電撃文庫のことなのでそこを探すといいだろう。黄色の背表紙(?)が目印
▼半分の月がのぼる空―looking up at the half‐moon
2004年2月1日 読書
ISBN:4840224889 文庫 橋本 紡 メディアワークス ¥510
さて、初めてブックレビューというものを書くのだが。というか日常の方でもう寝ると書いていたのに…
これを買うきっかけはタイトルとイラストに惹かれたため。内容も特に知らずに買ってしまった。けど読んでみるとおもしろい。
舞台は伊勢。著者の橋本さんの出身地だそうで。文章からその風景が容易に想像できるのは正確な描写がされているからだろう。
そしてどこで話が展開するかというと…
『病院』
つまり主人公である裕一は入院患者。で、外出癖があると。
内容はラブコメの様なものだろうか。今のところこれに該当するジャンルが自分にないので不明確。
登場人物は個性が強すぎ、数は少なめと印象に残りやすい。元々短編なのを編集したものなのでそういうことになっているのだろう。その方が自分にとっては楽だ。妙に人物が多いと覚えるのも面倒だし。
今月12日には続編が出るというので楽しみ。金がない中でも買うものは買う。
2時間もあれば読めるものなので一度読んで見てはどうだろうか。通学時間でもちょっとずつ読んでもいいだろうし。
裕一に感情移入してしまっている自分って一体…同じく犬みたいとよく言われるし。切ない…
さて、初めてブックレビューというものを書くのだが。というか日常の方でもう寝ると書いていたのに…
これを買うきっかけはタイトルとイラストに惹かれたため。内容も特に知らずに買ってしまった。けど読んでみるとおもしろい。
舞台は伊勢。著者の橋本さんの出身地だそうで。文章からその風景が容易に想像できるのは正確な描写がされているからだろう。
そしてどこで話が展開するかというと…
『病院』
つまり主人公である裕一は入院患者。で、外出癖があると。
内容はラブコメの様なものだろうか。今のところこれに該当するジャンルが自分にないので不明確。
登場人物は個性が強すぎ、数は少なめと印象に残りやすい。元々短編なのを編集したものなのでそういうことになっているのだろう。その方が自分にとっては楽だ。妙に人物が多いと覚えるのも面倒だし。
今月12日には続編が出るというので楽しみ。金がない中でも買うものは買う。
2時間もあれば読めるものなので一度読んで見てはどうだろうか。通学時間でもちょっとずつ読んでもいいだろうし。
裕一に感情移入してしまっている自分って一体…同じく犬みたいとよく言われるし。切ない…